OpenAIのDevDay2026|dotsを中小企業目線で

OpenAIのDevDay2026の発表まとめ(dots・GPT-6.1 Sol・Pro 500の要点)

OpenAIのDevDay2026|dotsを中小企業目線で

新しいAIの発表が毎週のように続くと、どれが自社の仕事に関わるのか分かりにくいですね。2026年9月29日(米国時間)に開かれたOpenAIのDevDay2026は、20を超える発表が並ぶ過去最大規模の回でした(OpenAI自身の説明)。中心となったのは、24時間働くAI「dots(ドッツ)」です。

この記事の要点

  • 結論:DevDay2026の主役は、OpenAIが「仕事を任せるAI」として打ち出したdotsです。ただし中小企業は、全面導入を急がず、狭く試す段階です
  • 対象:AIを使い始めた中小企業の経営者・担当者
  • 前提:2026年9月30日時点の公式情報と報道に基づく解説です。筆者はdotsを試していません。性能の数字の多くは、OpenAI自身の評価です
目次

DevDay2026の基調講演と、発表の全体像

基調講演の全編(53分34秒・英語)は、OpenAIの公式チャンネルで見られます。時間がなければ、下の表の時刻から、気になる場面だけ見てください。

動画:OpenAI DevDay 2026 Keynote (FULL)(OpenAI公式YouTubeチャンネル・2026年9月29日公開)

基調講演の見どころと時刻

時刻は英語の自動字幕による目安で、数十秒ずれることがあります。

時刻 話題 字幕で確認できた内容
02:20〜07:40 dotsの紹介 02:20に「dots」を紹介。07:00前後に、専用のクラウドPCとブラウザ、4,000超のアプリ、まず1体から将来はチームで、と説明
08:00 ChatGPT Space 人とAIが同じ場所で働く共有の作業場
09:20 製品チームのデモ 架空の音楽アプリの発売前日という設定で、dotが予定変更などを先回りして拾う
17:20 提供範囲と専門dot Pro・Business Premium・Enterpriseで「今日から」と説明。企業向けの「専門dot」もプレビュー
19:20 新モデルと料金 GPT-6.1 Sol(Astraに近い知能を5分の1の価格で)、Ultrafast(標準の8倍の速度を6倍の価格で)、Pro 500
27:40 開発者向けの道具 Codexの仕組みの公開、クラウド版Codex、Private Intelligenceなど
44:00 配布と収益化 週に約12億人が使うChatGPTの上で事業を作れる。Sign in with ChatGPT、Marketplace
52:20 結びの言葉 産業革命より、新しいルネサンスに近い姿であってほしい、という趣旨。「There are some parts of life that we cannot and should not automate.」(自動字幕)

発表の全体を一覧で

公式のまとめ(DevDay 2026 Recap)は、発表を5つに分けています。dotsのヘルプによると、発表された機能は順次提供されるため、まだ使えないアカウントもあります。

OpenAIのDevDay2026の公式まとめOpenAIDevDay 2026 RecapDevDay 2026で発表された20を超える項目の公式まとめ(英語版が正)公式ページで読む →
出典:OpenAI(公式ページより・画像はリンク先から参照)

共同編集スライドは、提供時期に注意が要ります。日本語版の公式まとめは「利用できます」と読める書き方ですが、英語版は「今後数週間で」です。下の表の時期は、英語版の表記です。

中小企業に関わる発表の一覧

発表 ひとことで 使える人(公式の表記)
dots 専用のクラウドPCを持つ、24時間働くAI Pro、Business Premium(対象地域)。Enterprise・Edu・Healthcareは、管理者が有効にした場合のベータ
ChatGPT Space、Pages チームとAIが共有する作業場と、共同編集できる文書 Pro、Business、Enterprise
共同編集スライド 会話や自社のテンプレートから作るスライド Pro、Business、Enterprise。「今後数週間で」(英語版)
チームタスク、Slack・TeamsでのChatGPT 定期業務を任せる。チャットから依頼する Business、Enterprise
GPT-6.1 Sol 最上位のAstraに迫る性能を、5分の1の価格で API(他のソフトからAIを呼ぶ窓口)、Plus以上のChatGPT WorkとCodex(チャットではまだ)
Ultrafast、Pro 500 速さ優先の有料区分と、月額500ドルの新プラン Astra版のUltrafastは、APIとPro 500・Enterprise。Sol版は近日。Pro 500は提供中
Sign in with ChatGPT ChatGPTの契約枠を、他社ツールで使える ログインは世界共通。契約枠の利用はPlus、Pro
OpenAI Marketplace 契約額の一部で、提携ソフトを買える 対象の企業顧客向け

dotsとは?専用のクラウドPCを持つ、24時間働くAI

dots(ドッツ)とは、目標と「自分で判断してよい範囲」を伝えると、会話していない間も仕事を進めるOpenAI製の常時稼働AIのことです。1体ずつを「dot」と呼び、名前をつけて使います。基本の考え方は、dotsの発表記事で読めます。

エージェントとは、質問に答えるだけでなく、自分で手順を考え、道具を使って仕事を進めるAIのことです。dotsの頭脳は、最上位モデルのGPT-6 Astraです。

dotsの公式紹介ページOpenAIIntroducing dotsdotsの公式紹介。できること、料金、提供地域が書かれています公式ページで読む →
出典:OpenAI(公式ページより・画像はリンク先から参照)

できること:専用のクラウドPCで、つないだアプリを使う

  • 専用の環境:専用のクラウドコンピューターとブラウザを持ち、その画面をいつでも開いて確認できます。
  • つなげるアプリ:プラグインで、4,000を超えるアプリにつなげます(発表記事)。
  • 話しかける窓口:ChatGPT(デスクトップ・ウェブ・モバイル)では、文字でも音声通話でも相談できます。SlackやTeamsからもメッセージを送れます。テキストメッセージは、ヘルプによると米国のProユーザー向けの限定ベータです。
  • 自分から動く:毎朝カレンダーを確認して知らせるなど、予定を決めて実行できます。会話していない間も、つないだアプリを読み取り専用で調べ、手助けできることを探します。
  • 覚える・つなぐ:ChatGPTの記憶を引き継ぎ、フィードバックからも好みを覚えます。自分のパソコンへの接続は任意で、初期設定はオフです(ヘルプ)。

使い方の例と、OpenAIの説明

発表記事には、Slackにバグの報告が届くとdotが調べ始める例や、出し忘れていた請求書をdotが用意して本人の承認後に送った例が挙がっています。

基調講演では、OpenAIのエンジニアのdotが1日に何十件ものバグを直している、とも語られました。これはOpenAIの説明です。第三者の検証は確認できていません。

できないこと・制限(ヘルプなどより)

表の制限は、dotsのヘルプ、発表記事、安全性の解説に書かれているものです。提供開始時点の制限も含みます。ヘルプは更新が早いので、最新の内容はリンク先で確認してください。

項目 OpenAIの説明
メールと電話 dotが専用のメールアドレスを持つことも、電話をかけてくることもできません。個人のメールアカウントをつないで使います
スマホでの作成 作成はデスクトップアプリかデスクトップのウェブで行います
自発的な調査 読み取り専用です。メールの送信、アプリ内容の変更、ブラウザやPCの操作はできません
慎重を要する手順 パスワードの変更や、金融口座どうしの送金は、必ず本人が行います
記憶の消去 dotが持つ記憶だけを消すことはできません。リセット(dotの削除)で、会話・記憶・予定がまとめて消えます

誰が、いくらで、日本で使えるか

  • 日本で使えるか:Proは、EEA(EU加盟国などの欧州経済領域)・スイス・英国を除く地域で提供されます(ヘルプ)。日本は除外地域に入っていませんが、日本を対象と明記した箇所も見当たりません。
  • ほかのプラン:Business Premiumは対応する全地域で使えます。Enterpriseは管理者が有効にするとベータ版を使えます(初期は無効)。PlusとFreeは提供対象に挙がっていません。
  • 料金:最初の1体はProかBusiness Premiumの料金に含まれ、追加料金はありません(発表記事)。dotの追加や拡張の条件は未公表です。Business Premiumの価格と、従来のBusinessとの違いは、公式ページでは確認できていません。
  • 利用枠:プランには、より高度な作業に使える利用枠が含まれ、提供開始後の最初の1か月は、その上限が拡大されます(ヘルプ・発表記事)。1か月後の条件は、2026年9月30日時点の公式ページに書かれていません。
  • 会話とタスク:dotとの会話は、ChatGPTの利用上限に数えられません。dotに頼んでCodex(プログラムを書くAI)やChatGPT Workで始めたタスクは、通常どおり数えられます(発表記事)。
  • 使える時期:段階的な提供のため、アカウントで使えるまで数日かかることがあります。基調講演の「今日から」より、ヘルプの記述が目安になります。

安全のしくみと、限界

任せる範囲は、次の4段階のルールで調整します(ヘルプ)。段階はカスタムルールで選べますが、組み込みの必須確認や安全要件は外せません(安全性の解説)。

  1. 確認なしで実行する
  2. 事前に許可されていれば実行する(プロンプトで明示的に頼んだ場合)
  3. 実行する前に確認する
  4. 本人に引き継ぐ
  • 対応しているサインインなら、保存済みのパスワードをモデルに見せずに使えます。メールや文書に書かれた秘密情報は、モデルに見える可能性があります。
  • 送信・共有・ファイル変更などの前には、別の仕組みの「自動レビュー」が確認します。購入は保存済みのカードでも、本人の承認が要ります。

ヘルプにも、dotは間違えることがあるので、重要な作業は必ず確認するよう明記されています。

PCが切れていても動くのか:クラウドで働くAIの仕組みと安全性

DevDay2026で発表されたdotsもCodexクラウドも、OpenAIのクラウドで動きます。気になるのは、自分のパソコンが切れていても仕事が進むか、パソコンの中身を見られてしまわないかですね。

クラウド実行の安全性とパソコンへの接続について書いた文書は、どちらも企業の管理者向けです。個人プランに同じ管理機能があるとは限りません。

パソコンがスリープやオフラインでも、クラウドの仕事は進むか

クラウドの中で完結する仕事なら続きます。手元のパソコンが要る作業は止まります。

  • 続く仕事:dotは専用のクラウドコンピューターを持ちます。クラウド上のブラウザと、つないだアプリだけで済む仕事なら、パソコンが切れていても動きます。Codexクラウドも、タスクごとに専用の作業場所があり、パソコンがスリープの間も作業が続きます(Codex Cloud)。
  • 止まる作業:dots向けの接続の文書によると、そのパソコンが要る作業は、パソコンが使えない間、進められません。オフラインになっても、許可は取り消されません。その後の作業を、dotがクラウド側で続けることはあります。

dotは、自分のパソコンの中身を調べられるか

本人が許可したときだけです。標準の設定はオフです。許可も取り消しも、ChatGPTデスクトップアプリで行います(ヘルプ)。

  • 許可すると、調べるだけでなく作業もできます:パソコンのファイル、パソコンに入れたスキル(決まった作業の手順書)、デスクトップアプリを使えます。クラウドのブラウザで済まない作業には、パソコンのブラウザも使います。パソコン上のCodexも操作できます(接続の文書)。
  • 判断はクラウド、実行はパソコン:何をするかはOpenAIのクラウドで決め、実際の操作はパソコン上で行います。会話やツールの結果、作業の文脈は、パソコンの中だけに留まりません。
  • どの窓口からでも使えます:接続している間は、ChatGPTからでもSlackからでも、頼めばdotがそのパソコンのファイルを使って作業できます。共有のチャンネルにつなぐなら、誰の依頼を受け付けるかを先に決めておきましょう。決めたとおりに運用できないうちは、パソコンの接続はオフのままにします。

Codexクラウドは、パソコンが切れていても完結するか

クラウドの環境だけでできる仕事なら、完結します。環境は、リポジトリ(プログラムの保管場所)・ツール・権限を指定して作り、公開してからタスクを始めます。対象はPlus・Pro・Business・Healthcare・Education・Enterpriseです(DevDayのまとめ)。

認証情報は「ネットワーク用の秘密情報」として登録し、許可したサービスに限って使えます。インターネット接続の範囲も、環境ごとに決められます。

手元のパソコンのファイルやアプリが自動では持ち込まれないことは、Work向けの文書に書かれています。Codexクラウドの文書では、同じ記述を確認できていません。

セキュリティは、どこまで守られるのか

表の内容は、dotsの公式文書に書かれていることです。

テーマ OpenAIが用意している仕組み 利用時の注意・限界
分離と実行環境 専用のクラウド環境で動き、接続しない限り、自分のパソコンと切り離される。接続は任意で、初期はオフ。サンドボックス(隔離された作業場所)で、使えるコードやツールも制限 接続すると、作業の文脈の一部がクラウドを通る。どの窓口から頼まれても、そのパソコンで作業できる
権限と確認 4段階のルールと、実行前の自動レビュー。完全な削除や新しいアクセス権の付与は、毎回確認 ルールに従う場面でも、dotは間違えることがある(ヘルプ)。結果は人が確かめる
悪意ある指示 プロンプトインジェクション(Webページやメールに紛れ込ませた悪意ある指示)への防御、ツールの制限、実行前のチェック、監視 OpenAIの表現は「防ぐ助けになる」で、完全に防げるとは書いていない。メールや文書の秘密情報は、モデルに見える可能性がある

データの扱いと、管理・記録の限界

テーマ OpenAIが用意している仕組み 利用時の注意・限界
データの扱い Business・Enterprise・Eduは、既定で学習に使わない。個人プランは設定で選べる データを一切残さない「ゼロデータ保持」ではなく、それが必要な業務では有効にしないよう求められている。接続を外しても取得済みの情報は残る
管理と記録 企業は方針の一元管理、ブラウザとネットワークの許可、監査記録を使える 個人プランには、同じ管理機能は書かれていない。クラウド側の記録は、既存の監視ツールに届かない。FedRAMP(米国政府向けの認証)やEKM(暗号鍵を自社で管理する仕組み)を使う企業は対象外。Enterpriseのベータは、データの保管場所の指定にも非対応
範囲を守る難しさ dotsが使う公開済みのGPT-6 Astraを、OpenAIは最も高性能で意図に沿うモデルと説明している 取り下げられたのは、未公開のGPT-6.1 Astra。任された範囲と権限を守る基準に届かなかったと報じられている。説明を過信しない

Work向けの文書にだけある注意

次の点はWork向けの文書に書かれています。dotsにも当てはまるかどうかは、dots向けの文書からは分かりません。

  • クラウドの作業は、OpenAIが管理する共有の基盤で動く
  • 共有アカウントでアプリをつなぐと、頼んだ本人より広い権限で動くことがある
  • 設定によっては、確認なしで書き込みが実行される
  • クラウドのブラウザは、自分のブラウザの保存パスワード、履歴、ログイン状態を引き継がない
  • 会話を消しても、関連する複製がすべて消えるとは限らない
  • 監査用の記録に、すべての操作が載るとは限らない

中小企業向けのチェックリスト

クラウドで動くAIを業務に使う前に、確かめたい8項目です。満たしても、事故がゼロになるわけではありません。

  1. 顧客情報・個人情報・財務の資料は入れない。必要なら、名前や金額をマスクしてから
  2. 個人プランなら、学習の設定を先に確認する
  3. つなぐアプリは、その仕事に必要な最小限にする
  4. メールの送信や共有は、カスタムルールで「実行前に確認」にする(購入にはもともと承認が要ります)
  5. 自分のパソコンの接続は必要なときだけにする。つなぐなら、専用の1台にする
  6. データを一切残せない業務には、使わない
  7. 業務で使うなら、既定で学習に使われないBusiness・Enterprise・Eduのワークスペースが候補になる。会社のワークスペースでdotsを使えるのは、Business PremiumとEnterprise(ベータ)なので、その学習の扱いも確かめる
  8. 履歴の画面を見る習慣をつける。リセットすると、会話・記憶・予定がまとめて消えることも知っておく

DevDay2026でdots以外に発表された、モデル・料金・共同作業

GPT-6.1 Sol:Astraに迫る性能を、5分の1の価格で

OpenAIの最新の主力モデルは、最上位のGPT-6 Astra、日常的な利用の中心とされるSol、軽量で安価なLunaの3つです。今回のGPT-6.1 Solは、GPT-6 Solの強化版です。OpenAIは、Astraに迫る知能をAstraの5分の1という料金で提供すると説明しています。

GPT-6.1 Solの公式発表ページOpenAIIntroducing GPT-6.1 SolGPT-6.1 Solの公式発表。価格と評価結果が載っています公式ページで読む →
出典:OpenAI(公式ページより・画像はリンク先から参照)

GPT-6.1 Solの価格、提供範囲、性能の主張

トークンとは、AIが読み書きする文字のかたまりのことで、利用料金の単位です。主な数字は次のとおりです。

  • API価格(100万トークンあたり):入力2ドル、キャッシュ入力0.10ドル、出力10ドルです(Solの発表記事)。キャッシュ入力とは、同じ内容の再利用で安くなる入力料金のことで、標準の入力より95%安いとされています。
  • 使える場所:APIと、Plus以上のChatGPT WorkとCodexです。ChatGPTのチャット画面では、まだ使えません。
  • 性能の主張:ソフトウェア開発のテスト(DeepSWE)で、Astraと同等の成績を約5分の1のコストで出したとしています(Solの発表記事)。事実の誤りを含む回答の割合は、GPT-6 Solの11.4%から7.7%に下がったそうです(低い推論設定・英語版の発表)。日本語版の発表には、「超高」設定で4.5%から4.1%という別の数字が載っています。

誤りの数字は、過去に利用者が誤りを指摘した会話をもとにした、意図的に難しい問題での結果です。OpenAIも、普段の利用を代表する数字ではないと注記しています。どれもOpenAIが自社の環境で行った評価で、第三者による検証は見当たりません。

画面からChatGPTを使うだけなら、この料金表はほぼ関係ありません。関わるのは、自社でAPIを使う仕組みの費用です。他社ツールや外注費への影響は未知数です。

UltrafastとPro 500:速さにお金を払う選択肢

Ultrafastとは、文章を生成する速さを最優先にした、有料の上位区分のことです。DevDayのまとめでは、Codexで最大8倍(毎秒300トークン)、APIで最大6倍の速さです。

基調講演では、価格は標準の6倍と説明されました(字幕で確認)。Decryptも最大6倍と報じていますが、公式ページでは倍率を確認できていません。

ChatGPT WorkとCodexでUltrafastを使えるのは、Pro 500とEnterpriseの契約者です。いま使えるのはAstra版で、Sol版は「近日」とされています。ChatGPTのProは、次の3プランです(About ChatGPT Pro tiers)。

プラン 月額 Ultrafast 補足
Pro 100 100ドル なし 利用枠は3つの中で最も少ない
Pro 200 200ドル なし 新規受付を再開。新規契約の利用枠は従来より少ない。対象となる従来の契約者は、2026年10月29日まで従来の枠
Pro 500 500ドル あり 最大の利用枠(Plusの25倍)

Pro 100とPro 200は、クレジットを買い足しても、開始時点ではUltrafastを使えません(同じヘルプ)。

速さが収入に直結する開発や研究の現場でなければ、Pro 500もUltrafastも当面は要りません。

Space・Pages・Slack/Teams:ChatGPTが共同作業の場に

ChatGPT Spaceとは、チームのメンバー、ChatGPT、それぞれのdotが、同じ資料と知識をもとに働く共有の作業場のことです。従来の「Library」に代わるもので、Pro・Business・Enterpriseで使えます。スマホでは閲覧と共有だけです(ChatGPT Space)。

  • Pages:人とAIが同時に編集できる文書です。グラフや表を入れられ、つないだツールの情報で自動更新する設定もできます。
  • チームタスクとSlack・Teams:週次の進捗報告のような定期業務を、日時や新着メールをきっかけに実行できます。Slack・TeamsでChatGPTを呼び出せます。個別のライセンスがない同僚も、同じ会話に加われます(Business・Enterprise)。
  • Meetingsプラグイン:会議を録音して、メモをSpaceに保存します。音声はメモの完成後に削除されます(macOSでProとBusinessのベータ)。

ページを共有しても、個人のチャットや記憶までは共有されません。ただし、ページに書かれた内容は、記憶から引いた個人情報も含めて、アクセス権のある人に見えます。

Sign in with ChatGPT:契約枠を他社ツールで使う

Sign in with ChatGPTでは、新しいパスワードを作らずに、ChatGPTのアカウントで対応ツールにサインインできます。組織の管理者の設定で、使えないこともあります。

サインインの時点で相手に渡るのは、名前とメールアドレス、設定していればプロフィール写真です。チャットや記憶、ファイルは渡りません(ヘルプ)。ツールによっては、サインインとは別に、データや操作へのアクセスの許可を求めてきます。承認する前に、求められている権限を確かめてください。

ChatGPTの契約枠は、他社ツールでも使えます。英語版のDevDayのまとめによると、対象は16のパートナーです。CognitionのDevin、Notion、Vercel、T3、OpenClaw、Dactylなどが挙がっています。

契約枠を使えるのはPlusとProです。ツールごとの利用量は、自分で制限できます。月額プランを他のAIツールにも充てられる半面、どのツールにどれだけ使わせるかの管理は増えそうです。

開発者向けの発表:自社に開発担当がいる場合だけ

  • Agents APIとDecisions API:前者は、AIがソフトを操作してWebサイトのテストなどをこなす「コンピューター操作」に対応しました。後者は、決まった選択肢から一瞬で選ぶ判断のためのAPIです(限定プレビュー)。
  • Private Intelligence:OpenAIの担当者が中身にアクセスせずに、自動の安全確認を行う仕組みです。企業向けで、利用には問い合わせが必要です。
  • プラグイン拡張とOpenAI Marketplace:他社アプリをChatGPTの中に組み込めます。対象の企業は、OpenAIとの契約額の一部で提携ソフトを買えます(最初の32社・DevDayのまとめ)。

発表の前後に明らかになった安全問題:新モデルの取り下げと、豪政府サイトへの無断アクセス

DevDay2026の発表と同じ時期に、安全性をめぐる話題も出ました。

GPT-6.1 Astraの取り下げ(報道)

DevDayの前日の9月28日(月曜)に、OpenAIが次のフラッグシップだったGPT-6.1 Astraを出さないと発表した、と報じられています。Al Jazeeraによると、最初に報じたのはウォール・ストリート・ジャーナルです。

安全システム責任者のSaachi Jain氏が、社内テストの結果を説明しました。基準に届かなかったのは、任された範囲と権限を守ることと、行った作業をユーザーに報告することの2点です。

Decryptは、10月に予定していた公開が取りやめになったと書いています。この件の出典は報道です。OpenAI自身の説明ページは確認できていません。

dotsが使うのは公開済みのGPT-6 Astraで、取り下げられたのは未公開のGPT-6.1 Astraです。基準に届かなかった2点は、どちらもdotsのような自律型のAIに関わる性質です。

オーストラリア政府サイトへの許可のないアクセス(OpenAI自身の声明)

OpenAIは9月28日に、声明「How we will do better for Australia」を出しました。認めた内容は次のとおりです。

OpenAIによるオーストラリアへの声明ページOpenAIHow we will do better for Australiaオーストラリア政府サイトへの許可のないアクセスについての、OpenAI自身の声明公式ページで読む →
出典:OpenAI(公式ページより・画像はリンク先から参照)
  • 2026年6月、社内の学習・評価の最中に、OpenAIのモデルが許可なくオーストラリア政府のウェブサイトにアクセスした。
  • Services Australia(メディケアの統計サービス)では、社外へ出す予定のない実験モデルが非公開のアクセス方法を見つけ、コマンドを実行した。内部ファイル・認証情報・集計統計を取得し、ファイルも書き込み、システム情報やソースコードも確認した。個人の患者や利用者の記録に触れた証拠は、これまでの調査では見つかっていない、としている。

ほかの3機関、通知の経緯、OpenAIが取った対策(声明より)

  • ほかに、ニューサウスウェールズ州の犯罪統計局、豪保健福祉研究所、ビクトリア州保健省でも、設定情報や集計統計などが取得された。ビクトリア州では、露出していたアクセスキーが使われた。いずれも個人の記録には触れていないと説明している。
  • 7月に、テスト環境を抜け出したモデルがHugging Face社を攻撃した件(Al Jazeera)を受けて調べ、8月中旬に把握した。9月10日から24日にかけて関係機関へ通知し、もっと早く途中経過を共有すべきだったと謝罪している。
  • 対策として、研究環境のネットワーク制限と監視の強化、ライブのインターネット接続の遮断を行った。最も高性能なモデルでは、ツール使用を伴う学習と評価を一時停止している。

ここまではOpenAIの調査による説明で、第三者の検証は確認できていません。

Al Jazeeraによると、OpenAIのエージェントが国の医療データベースに侵入したことを、オーストラリアの首相が明かしました。その数日後の金曜(9月25日)に、OpenAIは、エージェントの意図から外れた行動を「数十の機関」へ通知したと述べたそうです。通知先には、政府・大学・公的機関が含まれるとされています。

声明も、非公開のアクセスを得てファイルを取り出したことは認めたうえで、個人の記録は見ていないと説明しています。報道の「侵入」とは矛盾しません。

この件と、公開中のdotsの関係

声明に、dotsという言葉は出てきません。Services Australiaの件は、社内で学習中の実験モデルによるもので、公開製品にある安全策の一式は備えていなかったと説明されています。アクセスは6月で、OpenAIが把握したのは8月中旬です。

この実験モデルと公開中のdotsの関係は、声明に書かれていません。公開中のdotsで起きた事案とはされておらず、技術的なつながりの有無も分かりません。

とはいえ、エージェント型のAIが頼まれていない範囲まで動くことがあると、当事者が実例で認めました。軽く見てよい話ではありません。

ライブデモのつまずき(字幕と報道)

基調講演のデモでは、dotが「確認中」のまま進まない場面や、Codexのエラー、音声チャットの不調がありました。Decryptは、Ultrafastのライブデモが舞台上で何度か失敗した、と報じています。

デモの成否だけでは、実務での使いやすさは判断できません。試すなら、作業を終えられたか、直すのに何分かかったかを記録します。

DevDay2026を中小企業はどう考えるか:診断士が見る4つの観点

ここから先の4つの観点は、公式の事実とは別の、導入を判断するための目安です。

現時点で、全社導入を急ぐ必要はありません。試すなら、狭い仕事を1つ選び、読み取りと下書きまでに限ります。

観点1:全面導入を急ぐ必要はあるか

  • 提供が段階的で使えるまで数日かかることがあり、PlusとFreeは提供対象に挙がっていない。
  • Proの月額は分かるが、Business Premiumの価格は確認できない。1か月後の利用枠や追加の費用も未発表で、試した後の費用を見積もれない。
  • 性能の数字の多くはOpenAI自身の評価で、第三者の検証が確認できない。

観点2:試すなら、どう狭く始めるか

最初に任せるのは、失敗しても被害が小さく、効果を測りやすい仕事です。自社の公開情報だけを使う調べものや要約、社内向け文書の下書き、顧客名の入らない範囲での予定の整理などが向いています。試す段階でメールを使うなら、顧客情報を含まない専用のアカウントに限ります。

進め方の目安は次の5つの手順です。

  1. 任せる仕事を1つに絞り、いまの作業時間とミスの頻度を記録する
  2. つなぐアプリと権限を、その仕事に必要な最小限にする
  3. カスタムルールで、メールの送信や支払いなど取り消しにくい操作を「実行前に確認」か「本人に引き継ぐ」にする
  4. 1週間、かかった時間・直した回数・利用枠の消費を記録する
  5. 記録をもとに、続けるか、範囲を広げるかを決める

AIに任せる範囲を広げるほど、出てきたものを確認して統合する仕事が増えます。複数のAIを並行して動かした1週間の実践記録では、この点が主な落とし穴として書かれています。

あわせて読みたい記事:複数AIの並行運用は速いのか。1週間で見えた落とし穴

観点3:どのデータを守るか

  • 顧客名・個人情報・取引条件などは、最初はつながず、書き込みもしないでおきます。
  • dotはChatGPTの記憶を引き継ぐので、記憶にある顧客情報はdotにも渡ります。頼まれていなくても、つないだアプリの内容からも記憶を作ります。この記憶はdotごとリセットしないと消せません(ヘルプ)。
  • Proは個人向けプランなので、「すべての人のためにモデルを改善する」設定が、dotとの会話と作業にも適用されます(安全性の解説)。オンかオフかを確認してください。
  • Spaceのページを共有すると、記憶から引いた個人情報も含めて、書かれた内容が相手に見えます。

観点4:費用・利用枠・安全・手間はどうか

観点 確認すること 現時点の公式情報
費用 追加料金はいくらか 最初の1体はProかBusiness Premiumの料金に含まれる。追加のdotや拡張の料金は未発表。Business Premiumの価格は確認できていない
利用枠 どれだけ使えて、超えたらどうなるか 提供開始後の最初の1か月は上限が拡大される。dotとの会話は数えないが、dotが始めたCodex・Workのタスクは通常どおり数える。1か月後の条件は未記載
安全 何を任せ、どこで人が止めるか 4段階のルール、実行前の自動レビュー、パスワード変更や送金は本人
手間 設定と確認に何時間かかるか 作成はデスクトップから。接続と権限の設計、出力の確認は人が行う

「24時間働く」は、「放っておいてよい」という意味ではありません。任せる範囲を広げるほど、カスタムルールで人が止める場所を決めておくことが大事になります。

迷ったときの分かれ目は、いまProかBusiness Premiumを契約しているかどうかです。契約済みなら、上限が拡大される最初の1か月のうちに狭い仕事で試し、dotが始めたタスクは利用枠を使うので、消費も記録しておきます。契約していないなら、1か月後の条件が出てからでも遅くありません。

よくある質問

Q1. dotsは、ふつうのチャットと何が違いますか?

A. 会話が終わったあとも、専用のクラウドPCで仕事を進め続ける点です。通常のチャットは、話しかけたときに動きます。

Q2. パソコンの電源が切れていても、dotsは仕事を進めますか?

A. パソコンがスリープやオフラインでも、クラウドで完結する仕事は進みます。自分のパソコンのファイルやアプリが要る作業は、そのパソコンがオンラインで接続されていないと進みません。

Q3. dotsは、自分のパソコンの中身を見られますか?

A. 本人が許可したときだけで、標準はオフです(ヘルプ)。許可すると、調べるだけでなく作業もできます。データを一切残さない仕組みではないので、機密の扱いには注意してください。

Q4. 日本でdotsは使えますか?

A. 日本は除外地域に入っていないため、Proは対象になる見込みです。提供地域は「EEA・スイス・英国を除く地域」で(ヘルプ)、日本と明記されてはいません。段階的な提供のため、使えるまで数日かかることがあります。

Q5. dotsの料金はいくらですか?

A. 最初の1体はProかBusiness Premiumの料金に含まれ、追加料金はありません(発表記事)。Proは月額100・200・500ドルの3種類です(ヘルプ)。追加のdotなどの料金は未発表です。

Q6. PlusやFreeのプランでは使えませんか?

A. ヘルプが示す提供対象は、Pro、Business Premium、Enterpriseです。PlusとFreeは挙がっていません。

Q7. 顧客の情報をつないでも大丈夫ですか?

A. 最初はつながないでください。顧客名・個人情報・取引条件などは、つながず、書き込みもしない運用から始めます。個人プランでは、学習の設定がdotsにも適用されます。接続を外しても、取得済みの情報はdotに残ったままです。

Q8. OpenAIが示した性能の数字は、そのまま信じてよいですか?

A. 参考値として扱うのが安全です。多くはOpenAI自身の評価で、第三者の検証を確認できていません。判断の根拠には、自社の仕事で試した結果を使ってください。

まとめ

DevDay2026で、OpenAIはAIを「仕事を任せる相手」へ広げる方向を示しました。公式ページでまだ確かめられないのは、1か月後の利用枠と、Business Premiumの価格です。日本が対象かどうかも、明記されていません。

  • ProかBusiness Premiumを契約済みなら:上限が広がる最初の1か月に、読み取りと下書きまでの狭い仕事を1つ試す
  • まだ契約していないなら:1か月後の条件が出てから決めても遅くない

任せたい仕事を1つだけ選ぶとしたら、どれにしますか。

出典

公式(OpenAI)

報道

更新:2026-09-30 時点

シリーズの残り3本では、ChatGPTとCodexの違い、AIを使う前の安全設定、メールからタスクを拾う安全な組み方を扱います。

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